ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

卒業論文を出した日

「ごくろうさまでした」と、製本屋の店員さんにほほえみかけられ、深々と頭を下げてから来た道を戻るとき、私は品のよい紺色のハードカバーを思わず抱きしめていました。喉をつまらせて泣くことはできなくもないような気がするほどの、感傷をもよおしたので…

スクープ

いわれなき指図と干渉、およびそれらに「心配だから」「好きだから」を着せかける汗ばんだ手を、私はひどくきらっています。ようは「ふつうのいい人」がだめだというわけです。「ふつうのいい人」は他人の「あたりまえのしあわせ」を願ったり祝ったりします…

テレパシー

いつかのくりかえしになりますが、私は言われたことしか受けとれない病気を患っており、子どものころ、「そうやっていちいち言われないとわからないの?」とかいった叱責に、いつも「わかりません」と答えるほかありませんでした。図書館の寄贈コーナーから…

われ、あり 下

「多様性」の一語を定義することを、私は前回の記事にて注意深く避けておいたのですが、いよいよ、ここではっきりさせることにしましょう。多様性とは、さまざまであること、これにつきます。こんにちの「多様性ブーム」に引きずりだされたこのことばは、不…

変身薬ピル

双方の合意にもとづく性交が招いた望まない妊娠の責任は男性にある、とする態度を私は了解しかねます。なお、当記事のねらいは、他人たちの織りなす個別の事象に立ち入ることでも、「どちらも悪い」と騒ぎたてることでもありません。ただ、責任の免除、言い…