ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

トーク・アバウト・ナッシング

「彼氏いるんですか?」と、「きれいなおねえさんが好き」と述べたばかりの私にたずねたこの人は、さっきの「好き」を「そういう好き」ではないと受け取ったようだけれど、「そういう好き」ならばそれが双方向のものであるという確信を得るまでひた隠しに隠…

水底のおしゃべり

自分の声は「浮いている」というよりむしろ沈殿している、と、女の子と話しながらしょっちゅう感じます。透きとおっていたり、熱っぽかったりする、多彩な高い声を聞き、私がきまって想起するのは、かわいらしい手毬麩です。汁椀の底から見上げる気分でしゃ…

店員たち

「お砂糖はおひとつでよろしいですか?」に「ふたつください」と答えつづけていたら、紅茶にふたつ添えてくれるようになった店員さんを覚えています。「おふたつで?」と笑いかけられたく、私は特別に好きなわけでもない紅茶ばかり頼んでいました。それから…

オント

いまをときめくバンドのボーカルが「過去の思い出をどこまでも美化してしまう」と綴っているのを目にして、この人の書く詞が多分に含んでいる無反省と、情緒を酒の代わりとした悪酔いはここからくるのか、とひとり納得しました。かくいう私には過去を、正し…

続・知らないくせに

「子どもを持たないものが子育てに口を出すな」といったふうに、経験したことのないことがらについて語るな、という主張を聞くことはめずらしくありません。しかし、経験の有無と、語ることの是非とはまったくの別物であると私は考えます。 上述の命題を真と…