ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

せぷてんばぁ

 寒いのは、さびしいのといまいち区別がつきにくく、一昨日の帰り道はひどくさびしかったです。布団にもぐったら、なんの屈託もなく数分以内に寝ついていたので、やはりただ寒かったのでしょう。けれど、あとでわかったところで、あまり役には立ちません。さびしいときに、これは寒いだけなんだと言い聞かせても、さびしさはぬぐえないのです。

 「9月は胸に来ますね」とはみごとに実感のこもった歌詞です。終わりに向かってゆるやかに流れていくひと月であるように感じられます。肌を灼く日射しはもうなく、私を浮かれさせる、きりりと張りつめた冷気はまだありません。季節が表情を変える過程を、毎年、着るものに困りながら観測します。どうせまた暑くなるんだ、といまはぼやいているところですが、やがてTシャツ一枚で出歩ける夜は去ってゆくでしょう。

 寒いのはさびしいですが、わが家を恋しくさせてくれるから、きらいではありません。人恋しくなるという声が聞かれるのにも、うなずけるような気がします。心ひかれあうことは抜きにしてとりあえず抱きあいたいのなら、夏よりは秋のせいにしてあたためてもらったほうがまだかわいげがあると思うのは、夏の魔力なるものに対する私の不感症のせいでしょうか。