ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

特別扱い

 歩行中の男女(に見える人々)と、自転車に乗ってすれ違うとき、つい男性のほうに目が行ってしまいます。夜道にて、徐行して頭を下げつつ、「ちゃんと彼女を守るんだろうな」とおにいさんを観察する自分に気づきました。性役割を拒むくせに他方とらわれてもいるのだと、すこし恥ずかしくなります。

 自転車というと、二人乗りをしていた高校生のことを思い出します。だらだらと続く上り坂、女の子がペダルをこいで、男の子は背中にしがみついていました。それを、珍しいものに出くわしたような気分で眺めていたのも、おかしな話なのかもしれません。大切な相手と危ない乗りかたをするなよ、と呆れてよく覚えていたというところもあります。

 男の子、女の子と、指示対象をむやみに広げるから、ぼやけてきます。「男は女にやさしく」は、だれにもやさしくありません。男だからといって男性をぞんざいに扱うのも、女だからといって女性を弱いものと見なすのも願い下げで、私はただ「ほかでもないあなただけを特別に」思います。昨夜すれ違ったふたりのおねえさんのほうは、彼に引き寄せられて驚いたあと、顔いっぱいに笑っていました。おねえさんがおにいさんの腕を引いたこともあるのかなと、空想しながら帰りました。