ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

子といふもの 上

 子どもがほしいと思ったことがない、と話すと高確率で返ってくる「なんで?」に、ほしいほうが標準の規格なのだなと確かめさせられます。孫がどうとか軽口を叩く父と、それはセクハラだよとたしなめる母とを見ていると、すまなくてなにも言えなくなってきます。同性にも性的魅力を感じるということも、善良な小市民たるふたりに、私は死ぬまで話さないつもりです。

 おのれの気の変わりやすさはよくわかっています。大学になど行くものかと考えたこともあるのに、入ってみればあと3年は残りたいくらいです。留学に憧れていたけれど、いまでは日本を出たくありません。もうやらないと決めたはずのバンドには、また手を出しています。ですから、ずっとこのままとはかぎらないのです。しかし、いちどたりともわが子を望まなかった半生を顧みれば、望みの薄いことは判然とします。

 よその子どもはほんとうにかわいいです。塾の生徒は大好きです。電車や散歩道で赤ちゃんを見かければ、メリメリを口ずさみたくも、ちょっとさらってゆきたくもなります。けれどそれだけです。足りない人間ですから困ります。Amazonか楽天で母性は買えるだろうかと探していますが、いまのところ見つかっていません。 

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