ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

青春

 私のなかで、ときめきとやすらぎは同居します。無為と充足も両立します。端正とエロス、老いとエレガンスの仲のよいことも、周りの大人たち、たとえば敬愛する先生を見れば明らかです。愛と束縛とは食べ合わせが悪いと思います。「好きだからそっけなくする」は破綻しています。そのあたりの機微はどうも読み取れません。私は極度の甘党です。

 思春期と青春というのも、うまく結びつきません。十代の私は夢も野心も抱きませんでした。大勢にもてはやされ、憧れられ、あるいは受け入れられるものを喜べないことが、いかにさびしいかという感慨に、日々が覆われていました。制服のスカート、全員参加の大縄跳び、うわさ話、集合写真、お決まりの子とつるむこと、「いい大学」、あらゆる序列。

 「大勢」という幻想を解体しようとつとめながら、考えています。狭い校舎が世界のすべてであるかのように思いなしていたから、退屈だったのかもしれない。門のないところをふらつける現在こそ、わが青春です。「頭がいい」とか「まじめ」とか言われるのを苦にしていた優等生は、それを気にしなくなったとたん、だれにもそんなふうに言われなくなったのでした。