ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

未来へ身を投げよ

 持ち物を減らしては悦に入る趣味を持つ私が、昨晩、半透明の袋にまとめたなかに、高校指定のジャージが入っています。これを着ているときの自分はごきげんでないなと思ったときに、処分することが決まりました。

 制服も写真も、過去にこだわるたちだから、躍起になって焼却します。それとともにあった自分が好きでないから捨てるのです。過去の、ことに十代のおのれを恥じている私は、輝かしかった昔の話を聞くとき、たいてい酸化した油を飲みくだすような気分に陥っています。このごろ、いとしい種類の思い出が増えたのはよい傾向で、以前にもそういったものがないということはないのですが、あいかわらず羞恥の念は回想という行為の大部分を覆いつくしています。

 ですから、古くからの付きあいというものは稀少です。自身に対する厳しさをそのまま他者に差し向け、棘をまきちらしていた私を許してもらい、またこちらでも痴態を演じた自身を許すことで、待ち合わせの約束ははじめて結ばれます。むろん、そんなふうに考えるのは私ひとりで、会う人はただ、いまここにある私にほほえみかけるばかりです。そうしてどこまでも私を連れ出してくれるのです。

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