ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

就活は恋愛か

 春はあけぼのではなく、女の敵は女ではなく、受験は団体戦ではなかったうえに、両親を見たところ結婚は人生の墓場ではなさそうだから、ちらほらと聞こえる「就活は恋愛のようなもの」というのも、あてにならないような気がしています。このことばからは、資本主義が恋愛を広告塔に起用しているということくらいしか読み取れません。

 恋愛は、私の知るかぎり、非論理的かつ不経済なものです。生産性がないどころか、なかには奪いあう関係というのも存在します。恋愛はたいてい閉鎖的で、先行きが不透明です。恋愛は社会をよりよくしません。そこにおもしろみがあるのだから、やはり恋愛は恋愛であり、就職活動は就職活動であるとしたいところです。

 就職活動において、わがままはかわいくありません。「私はあなたが好きで、あなたも私が好きなのだろうし、あなたがほかの人といるのはおもしろくないから、私を特別に扱っていただきたい」は、リクルートスーツを着たら封じねばならないのです。なおかつ、かけひきは無用で、秘密を作れば不興を買います。「お役に立ちます」と言い切るのも「拾ってください」と鳴くのもしらじらしいので、私は私のことばで話すための支度にいそしむことにします。