ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

ふたりぐらしごっこ

 先週の「異邦人」とは、いちど言ってみたかったというだけでつけた題でした。カミュの小説のように、太陽を殺人の動機とする予定はありませんけれど、太陽のほうに殺されそうだとは、このごろ頻繁に思います。そのうち「真夏の死」とかいった記事も書きかねません。

 と、ここまでを書きつけたのは先月のはじめのことです。つづきが思いつかないので、寝かせておきました。そうしているうちに、当時の予想に反して、殺人的な真夏は死に、私は真夏を生き抜いたのでした。

 この夏も、例年通りの、事件性に乏しい日々でした。ふいに降りかかってきたできごとといえば、茹でたザリガニの味を知ったことくらいです。スウェーデン生まれの家具店にて、私は気の迷いから真っ赤なはさみのはみ出したプレートを注文し、たいらげたのち、家具店はザリガニを食べる場所ではないと結論しました。フードコートを出ると、つづいて私を誘惑したのは、ショールームの色彩と曲線でした。そこで、来年以降の住まいを思い描く遊びに興じました。具体的なことはなにも決まっていません。現段階における構想はこれだけです。ひとりぐらしのわが城に、客用の備品はなにひとつ置かない。定員は2名とする。住所はむやみに明かさない。招くのは、家族と猫およびそれに準ずるものにかぎる。