ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

混浴の権利

 日帰り温泉のホームページを見ると、貸切風呂の案内に「夫婦以外の男女混浴不可」とありました。その意図は不明ですが、騒がれたり汚されたりするのを防ぎたいのだと推量しています。既婚者であっても、また同性間においても、公共の施設で「ふしだらな」おこないをする人はする、しない人はしない、というのが実際のところであるのに、「結婚している」と宣言すればたちまち信頼の置ける客として認められるしくみには、目をみはるものがあります。

 私には結婚の意義が飲みこめません。子どもはほしくなく、名字および財布は分けておきたく、挙式はぜひとも免れたい、と考えて、なお残る利点はなんでしょう。「絆」「連帯」などはよく聞きます。しかしこれは理屈に合わないことです。紐につながれないかぎりよそみをやめない人に、用はありません。それから「親を安心させる」というのも不明瞭なことばで、というのも、私の両親にわが子を人形扱いする趣味はないうえ、私の「まともじゃない」こともとうにわかっているからです。

 さしあたり、私にとっての結婚とは温泉地の貸切風呂にて混浴する権利を獲得すること、ということになりましょう。ただし、あの店に行く気は、もはやほとんどありません。