ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

スクープ

 いわれなき指図と干渉、およびそれらに「心配だから」「好きだから」を着せかける汗ばんだ手を、私はひどくきらっています。ようは「ふつうのいい人」がだめだというわけです。「ふつうのいい人」は他人の「あたりまえのしあわせ」を願ったり祝ったりしますが、その尺度がきわめて私的かつ流動的であることには思いいたりません。ただし、これは人の性質ではなくて、あくまで状態をさしていうものですから、私自身が陥った場合も数えきれないほどありましょう。

 ところで、ひとつ前の記事にて取り上げた宇宙人は、「ふつう」にも「いい人」にもほど遠く、他人に寄せる期待や興味の持ち合わせがありません。ミュージシャンの不倫や女優の結婚が世間をにぎわせたところで、それは彼の感情をかき乱すに値しないらしく、話題にのぼっている人名を耳にすれば、彼は大スクープそっちのけで「新譜のアレンジがよかった」とか「あのドラマで見せた演技がよかった」とか、だしぬけに言いだすのです。テレビをほとんどといってよいほど観ない私にはなんのことかわからず、それでもなにか楽しげなそぶりは伝染し、楽しくなってぼんやりとうなずきます。

 私たちが外のから騒ぎについてもつ感想は、「とくになし」というかたちでしばしば符合します。