ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

陽画

 人の性格を表すのに用いられる「ポジティブ」「ネガティブ」といった語が示すものは、その人が現実をのみこもうとするさいに、いかなる味つけをもって加工することを好むのかということ、すなわち思考の癖にすぎませんから、ポジティブ/ネガティブであることそれ自体は、たんなる特徴とは呼べても、美点にはなりえないと私は考えます。「長所は超ポジティブなところ」などと語るのは、「目玉焼きにはソースをどばどばかける」と誇らしげに言うようなものです。

 ポジティブとネガティブのどちらが望ましい態度か、という問いに対する答えを私はもたず、もしたずねられたなら、いずれにせよ自身も他人たちもめいめい偏っていると知っていればよい、と言います。他人がいかなる嗜好をもとうと、香辛料を強いてすすめてきたり、私の皿にこぼしたりさえしなければ、かまいません。

 私自身はどちらに偏っているともいいがたく、気まぐれな乱高下をくりかえし、回りながら四方に傾いています。ただし、生粋の楽天家から程遠いことだけはたしかです。友人のなかには楽天家もちらほらありますが、私に対して「希望をもて」と命じることはだれもせず、ひとり勝手に上機嫌でいます。私はそれをおもしろくまぶしく眺めます。