ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

週末の述懐

 バスに収容されたのちも、未練がましく、ここで引き返そうかという甘い期待がちらつくようになって以来、平日は悪夢ばかり見る。また会社をやめたい話か、よく書くことが尽きないものだ、と私は私に呆れながらも書かずにはいられないのだが、主題の反復は、筆者がそれに取り憑かれていることを示す証左であって、そういえば、卒業論文を抱えた冬の私は、倉橋由美子が腹いっぱいにつまって喉の奥まできていた。そして、血もろとも吐きだすみたいに書きつづけた。生きてきたなかでもっとも贅沢な時間を泳いでいたのがあのときだった。私はそういうふうにしか、ものごとに取りかかりたくない。いちどにひとつだけを、偏執的に考えていたい。

 生計を立てる新たな手段として、プログラミングが浮上した。そして、その勉強をはじめたとたんに、新入社員研修は砂を噛むような練習曲の連続に変わってしまった。けれど、真摯な人々を前にすれば、無礼を働くことをみずからに禁じるものだから、私の社内での評判は悪くないらしい。病的に生活が下手、しかも、生活の下手さを仲の浅い人々に発露するのも下手であるせいで、人里に出るたび、何重にも嘘をついているかのような混乱に陥る。ちぐはぐな夢にさいなまれもする。ただし、あすは土曜日だから、その心配はない。