ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

アラーム

 おかげさまで、淡々と会社に行けるようになりました。もう、いやでいやで、いますぐにでもやめたい、という感じではありません。診察室にて、そのように現状を伝えたところ、淡々とですか、と医師は微妙な笑いかたをした。ほかに言うこともなくて、私も笑った。

 やはりこれは自分が一生をかけて取り組む仕事ではない、と思ったなら、やめたらいいけれど、できれば、転職活動をしながらでも働きつづけたほうがいいですよ。先週と同じような助言を受けたが、先週と同じように落胆することはなかった。たぶん、しばらくは勧められた通りにすることができる。いまも休息と勉強に充てるためのまとまった時間を欲してやまないし、起きぬけの気分はきまって憂鬱だ。それでも、少し先のまだ見ぬ楽しみのほうへ目を逸らしつつ、現存する生活に食らいつくだけの明るさは、回復しつつある。

 ふりだしに戻ったような感触がある。会社をやめたいと思いながら働いているという状況は、春から変わらないのだ。服薬を中止するか、不一致に耐えられなくなったとき、裂け目からふたたび病が顔を出し、からだが軋みはじめるのだろう。目覚まし時計を飲みこんだみたいだ、という突飛な空想をする。眠りを破る、勤勉な、おぞましい機械。きょうのところはまだおとなしい。