ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

産婦人科にて

 すこぶる寝つきがよいし、どこでも寝られるから、産婦人科の待合室ではたいていまどろんでいる。目を開けていてはいらだつ。けれどいらだつのは好まない。血のにじむささくれを見つけたようで、あとから悲しくなるので、あらかじめ眠っておく。

 これほどの空費はない。月経困難症を治療するため、薬を受け取るだけの日であっても、一時間は並んで待つ。出費もかさむ。ピル服用にあたり義務づけられる採血も苦痛だ。失神しないよう横になる。そしてまた、検査の結果を聞くためだけの待ち時間を過ごす。もっともひどくきらっているのは、がん検診だ。すみません、気分が悪くて立ち上がれません、と詫びて、内診室で泣いたきり、しばらく受けていない。医師やスタッフの対応にはなんの問題もなく、むしろ感謝しているほどだ。あのときは単純に、わけがわからず、血の気が引いたのだった。業務を妨げてはならない、私の機嫌取りにつきあうのが医師の仕事ではない、といった認識はもちつづけたが、からだの操縦法を忘れた。

 来院するたび、叶わぬ望みだが、もう二度と来たくない、と感じる。産み育てるつもりのない私をいやおうなくここに向かわせるからだ、脚のあいだから不随意に血を流すこのからだには、設計上の誤謬が多すぎる。