ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

ハギビス

 停滞した一週間だった。きのうの、雨戸をしめきった、LEDのしらじらと光る部屋のよどんだ大気、あれが目の奥や四肢の先にもつまっていそうな感じがする。花粉症がおさまったところで風邪をひいた。会社から業務上必要らしい尋問の電話がかかってきて、「締切」の一語を思い出した。台風に見舞われ、おかげで歯科に行けず、新しいノートパソコンは届かない。古いのはたったいま、いじくりまわして壊した。

 雨風の叩きつけるリビングでは、テレビだけが外を見ることのできる窓だった。そこにはただ災害があった。家族は不安にさいなまれながら、うっすらと高揚しているらしかった。私のような破れやすいたちの人間は、映像を見つづけるべきではない。しかしどういうわけか目が離せなかった。受容しうる以上の刺戟を受けて、はっきりと気が立った。その数時間後には、菓子をつまみながら、怖い話をひとりで観られないという妹につきあった。そのとき私はやかましく笑ったし、事実として楽しかった。外のことは忘れた。ちぐはぐの気分だった。

 目を覚ますと、とうに雨は止み、叱責のごとく、まぶしく蒸し暑い。低気圧は去ったのに、けだるさは晴れず、頭のなかは散らかっている。無事にきょうを迎えたのだから、いちはやく持ち場に戻らねばなるまい。