ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

二重拘束

 「あなたが社会に適応しづらいのはもしかしてASDのためではないか」と家族からたずねられた。その問いかけ自体に対しては、不愉快も驚きも覚えなかったが、やりとりをくりかえすうちに、ことばの通じあわなさばかりが判然として、壁に頭をぶつけるようだった。

 判断の根拠は、私の嗅覚と聴覚が過敏であること、作業に集中しすぎて時間の経過を忘れがちであること、他人の感情を汲み取れないこと、融通がきかないこと、などであるらしい。おおむね自覚しているとおりである。ただし、「口調が冷淡であること」「冗談を真に受けること」などを挙げられたときは、抗議する気にもなった。私が拒絶反応を示すなにかしらには、そのものに原因があるとも考えられないか、すべて私の気質の問題として片づけられるのなら、ますます口を開く気力を失うだけである、と書き置きをした。

 同じ家に住む人との話しあいには、つねに不公平と八方塞がりの感触がつきまとう。どちらかの感性が正しいのではなく、相性が悪いだけだと私は言う。すると、私をこよなく愛する人々はひどく悲しんでみせる。それならば、ともにありたいのならば、と改めてほしい点を指摘すると、「考えすぎ」として処理される。それでいて私には要望をよこす。手を離していただきたい。