ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

冬じたく

 秋になってしきりに買い物をする。高くついた、と悔やまれるのは瓶入りの漢方薬だ。いちばん小さいのを選んだら、飲みきるまでに副鼻腔炎が完治せず、けっきょく買い足すことになった。ところで、診断書と銀歯は、買い物に含まれるだろうか。とかく、ここまでは生活必需品の話である。

 「それどころじゃない」ときに「それ」をしたがる性分だから、収入が途絶え、医療費もかさむこの時季に、身の回りの品を入れ替える。冴えたシルバーのコートロイヤル、私を射抜いたばかりのITZYのアルバム、韓国から取り寄せた下着、冷たい足先をとかすなめらかな毛布、惑星を模したような球形のランプ。ノートパソコンも新調した。メモリを増設したマックブックは、かつての月収と引き換えに迎えたようなものだが、来年には商売道具となることを見込んでいる。

 すでにいくつも持っているマフラーとケーブルニットをまた注文したあとで、私はたしかに冬を越すつもりなのだ、とみずから感じ入った。服飾、調度品、音楽。なくても生きてゆけるものを、なにもかもなくしたら、なぜ生きてゆくのか、きっとわからなくなるだろう。この秋、なくても生きてゆけるものたちをかき集めている。これからも生きてゆくからほしいのだ。