ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

テレビ

 一年のうちでいちばん好きな時期は年の瀬で、年の瀬を破りにおとずれる年明けがいちばんきらいだ、とずっと思っていた。ところが、二〇二〇年はそうでもないな、と感じてこれを書いている。きのうも妹と「年末年始感ないね」と言いあった。私たちはもう、両親について駅伝を観たり初詣に出かけたりしなくなっていた。私がきらっていたのは休日に自由を拘束されるという矛盾にほかならなかったらしい。

 私は家族がまったくきらいではないが、家族でテレビを囲む時間のことは、はっきりときらいになっていた。家族をきらいになりたくないから。ブス、おかま、ハーフ、あっち系の人……無知の刺が番組からまきちらされる。無邪気な家の人はそれを笑って受け入れる。私は不愉快をあらわにしたくないが、とてもいたたまれない。

 あなたは気難しい、冗談を真に受ける、過敏で神経質だ。長年の経験にもとづく予想では、指摘に対する返答はこんなところだ。よって口を開くのはとうにやめている。家の人は「いまのが、どうしていけなかったの?」とは決してたずねず、「そんなつもりじゃなかった」から前進しない。しかし私を愛しているのはほんとうらしい。噛みあわないことも、老いてますますそうなるに違いないことも悲しい。